■ 体外受精のために大きな病院へ転院|男性不妊の可能性が判明
体外受精(IVF)に進むことを
決めた私たちは、
これまで通っていたクリニックで
紹介状を書いてもらい、
より設備と実績の整った
少し大きな専門病院へ
転院することになりました。
実は、自宅のすぐ近くにも
体外受精に対応している
クリニックはいくつかありました。
通院の負担を考えれば、
近いに越したことはありません。
けれど、前のクリニックでの検査で
「パパの精子の運動率が少し低い」
という指摘があったため、
私たちは
男性不妊の専門外来・治療にも
しっかり対応している
病院を選び、
紹介してもらうことにしました。
新しく通うことになった病院は、
家から車で片道1時間ほどの距離。
決して近くはありませんが、
最近になって
不妊治療専門のフロアが
新設されたばかりの病院でした。
ホテルのように綺麗で落ち着いた空間、
プライバシーに配慮された院内設備を見て、
足を踏み入れた瞬間に
どこかホッとした安心感を覚えたのを
今でも覚えています。
広々とした待合室を見渡すと、
私たちと同じように
真剣な表情で順番を待つ
ご夫婦や女性がたくさんいました。
ママ「みんなそれぞれ悩みを抱えて、
同じ気持ちでここに来ているのかな…」
これまでは



「周りはみんな自然に授かっているのに、
なぜ私たちだけ…」
と孤独を感じてばかりでしたが、
同じ目標に向かって
頑張っている人たちの姿を
目の当たりにして、
不思議と勇気と連帯感を
もらえた気がしました。
■ 体外受精と顕微授精の違いを知って前向きに
転院して最初のカウンセリング。
正直、当時の私は
「体外受精」という言葉の響きだけで
頭がいっぱいで、
強い不安と恐怖しかありませんでした。
先生からの詳しい説明を受ける中で、
恥ずかしながら私はここで初めて
「体外受精(IVF)」と「顕微授精(ICSI)」の
明確な違いを知ることになります。



「体外受精って、全てを機械的・人工的に
作り出すわけじゃないんだ」



「精子の状態に合わせて、一番赤ちゃんに近づける
選択肢を科学的にサポートしてくれるんだ」
まさか自分たちの人生で、
この高度生殖医療を選択する日が来るとは
夢にも思っていませんでした。
だからこそ、
これまでは怖いあまりに
調べることすら避けて、
無知のまま怯えていたのかも
しれません。
でも、先生から具体的な
治療フローや仕組みを丁寧に
説明してもらい、
正しく「知る」ことで
漠然とした恐怖が安心へと変わり、
次に何を準備すればいいのかが
クリアに見えてきました。
頭の中のモヤモヤが晴れ、



「これなら前に進めるかもしれない」
と、不安だらけだった気持ちが
少しずつ前向きに変わっていくの実感しました。
■ パパの診断「軽度の精索静脈瘤」|手術で改善の可能性
転院先で改めて夫婦ともに
詳しい精密検査を実施しました。
その結果、やはりパパの精子の運動率は
基準値よりやや低めという数値が出ました。
そして、男性不妊外来での再検査の結果、
パパに「軽度の精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」の
可能性があると診断されたのです。
精索静脈瘤とは、
精巣(睾丸)の周りにある静脈の血液が逆流し、
血管がこぶ状(静脈瘤)に腫れてしまう状態のこと。
精巣内の温度が上がったり血流が悪くなったりすることで、
精子の数や運動率、質の低下を引き起こす原因となります。
先生からは、
日帰り〜短期入院の簡単な手術を行うことで、
静脈の逆流を止め、精子の運動率や質が
改善する可能性があります。
という説明を受けました。
原因が分からず手探りだった私たちにとって、
この診断はショックというよりも
「授からなかった明確な理由が一つ見つかった」という
前進のサインでした。
パパも



「自分の手術で少しでも確率が上がるなら!」
と、前向きに手術を受ける決意をしてくれました。


ただし、手術を受ければ
翌日からすぐに数値が
劇的に良くなるわけではありません。
新しい精子が作られて
状態が安定するまでには
時間がかかるため、
術後2か月後から本格的な改善が期待できる
とのことでした。
そのため、私たちの体外受精スケジュールは
「パパの手術後、約2ヶ月待ってから
採卵・受精をスタートする」
という計画に決まりました。



「2か月待つのか…
妊活中の2ヶ月ってものすごく長い気がする…!!」
早く次に進みたい焦りから、
思わずそう呟いてしまった私に、
先生は優しく言葉をかけてくれました。
医師「ママの体のコンディションを整えたり、
採卵に向けた準備(周期の調整や事前検査)を
していたら、2ヶ月なんて本当にあっという間だよ〜!」
先生の明るいトーンに
肩の力が抜け、



「そっか、焦らなくていいんだ」
とフッと気が楽になったのを
覚えています(笑)。
■ 体外受精の準備で心が軽くなった|前向きに変わった理由
体外受精に向けて本格的な準備を進める中で、
不思議なことに私のメンタルは
以前よりもずっと軽くなっていました。
タイミング法や人工授精に
挑戦していた頃は、



「今月もダメだった…」



「何がいけないんだろう?」
と、毎月の努力に対して
なんの手応えも掴めず、
暗くて長い出口の見えないトンネルを
ずっと彷徨っているような感覚でした。
でも、体外受精のステップに
入ってからは違いました。
一つひとつの行動に根拠があり、
確実にステップを踏んで前に進めている
実感があったからこそ、
あんなに揺れ動いていた気持ちが
嘘のように安定したのです。
病院までは車で往復2時間ぐらい。
通院回数も増えて
スケジュール調整は大変でしたが、
それでも通院が苦痛にならなかったのは、



「立ち止まっていた私たちが、
やっと未来に向かって前に進めている」
という確かな手応えと安心感が
あったからだと思います。
こうしてパパの手術を無事に終え、
私たちは万全の体制で
いよいよ「採卵周期」へと
突入していくことになります。
※次回は、体外受精の第一関門である
「自己注射の痛み・リアルな採卵体験記」
について詳しくお届けします。









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